甘やかして、私だけ


は?!熱?


なんかムカついてきた!



完全な逆切れだけど言ってやる!





「恋の教科書って本隠し読んでるくせに!!」



そうだこいつは女々しいんだ、元チャラ男のくせに





「え…なぜそれを…」


恥ずかしいような驚いているような表情を見せる将くん




「本棚からはみで出たよ」




だから読んでみたなんて、それはちょっとね…シー




でも、私なりに頑張ったのにおかしいとか熱あるんじゃない?とかひどいよ!!




「やっぱり素直になんてなるんじゃなかった!」




恥ずかしいし、そんなに喜んでもらえないみたいだし…




「もう、お昼休み終わるでしょ、私もそろそろ帰るね」



素直とか関係なくそう言ってしまう私


別にいいもん、帰ってお昼寝でもするし



そう思っていると




「そんなこと言わないでよ…!」


ベンチから立とうとした手を掴まれる




「俺のために頑張ってくれたんでしょ?」



「…うん、まぁ…」



歯切れの悪い回答をする私はまだ頑張ろうとしているのかな




「全部嬉しいけど…」


「けど?」



やっぱり感想は気になる…

言葉の続きをじっと待つ



「あかねちゃんが笑っていてくれれば俺はそれでいいの!」


「…っ」


なにそれ……



その笑顔はずるい・・・



そして優しすぎない?





「それに、俺あの本に納得できないんだよね」


「え?なんで?」




悩むようなポーズでそう言っている



結構いいアドバイスみたいなの書いてあって私は参考になったけどな・・・















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