甘やかして、私だけ
「…うぅ…っ…」
ずっと、我慢していた涙が静かに溢れる…
私なんかが泣くとこじゃない。けど、苦しくてっ…
ぬぐっても、ぬぐっても溢れだすそれは
自分の意志では止められなくて…
「…ふぇ…ぅっ……。」
少しの声は一人の玄関によく響く・・・
_"**”:*~*”__
「はぁ…。」
とか言って、どこ行くんだ…?俺…。
とっさに家を出てきちゃたけど、どーしよ。。。
こんな時にもめっちゃきれいな星を見上げて考える…けど、
・・・・・。
「…あ”-!!」
なんで出てきちゃった?
もぅわけわかなんくって頭を乱暴に掻く
俺って心狭すぎ?…いや、あかねちゃんが悪いでしょ!!
でも、あかねちゃんのやきもち可愛い…じゃなくって!!
「はっ!!」
いま、俺はあることに気づいた・・・。
「鍵かけてない・・・。」
とっさに出てきたとはいえ、彼女が一人でいる家に鍵を。。。
あかねちゃんが危ない!!
大分酔ってたし、いま、誰かに襲われたら…‼
「…っ‼」
歩いてきた道を全力で走って戻る・・・・・・_
と、
”ガチャ”
「あかねちゃ…っ…」
勢いよくドアを開けあかねちゃんを探そうと見回す
でも、
「…へっ?」
「…スースー……。」
寝息??…えっ、ここで?
体は家の中、脚は玄関という
独特のスタイル丸まって眠っているあかねちゃんは、
「…んぅ……うぐっ……」
「泣いてる?…」
は!?、寝ながら泣いてんの~!?
なんともミステリアスな光景に慌てふためくけど、
まず、
「あかねちゃん、こんなとこで寝たら風邪ひくよ?」
ここを、移動させなければ。
そう思って俺はあかねちゃんを抱き上げた…
すると、
動かしたことで起きてしまったあかねちゃん、
「んーっ‼…もぅ、飲めませぇ~ん!!…」
「うぐっ…」
謎の発言と共にパンチ飛んできた…
ホント、酔っ払いはめんどくさい…
でも、こんな酔ってるあかねちゃんはレアだしね…!
「…っと!」
ちょっといいことを思いついた俺は、
静かにそっとあかねちゃんをベットにおろす
そして、
「ねぇ、…」
「…むぅ…?」
半分寝てて、返事はふわふわしてるけど…会話はできる!
「ねぇ、あかねちゃんの好きな人って誰?」
「…えへっ……しょう…っくん!」
おお!なんて素直なんだ!
素晴らしい!!
「じゃあ、今日はなんでそんなに飲んじゃったの?」
連絡もしないで!心配したよ…。
「将くんが……っ…うぅ」
あ!まって。間違えたわ!!
んっと。とりあえず、
「あかねちゃんお水欲しい?」
「うんっ…」
そう返事を聞いて立ち上がる
すると、
「嘘っ、将くんが欲しい…」
くるっと体制を変えてこちらを見上げている
上気したように赤くなった頬に、うるんだ瞳
「くっ…‼」
予想してなかった拷問タイムに言葉が出ない・・・。
そんな俺はとっくにあかねちゃんのものなのにっ…‼