甘やかして、私だけ
「三村くん……。」
__その時、二人の間を春の暖かな風が勢いよく吹き抜けていった…
重なったままの手が急に熱くなる
声を聴きいて何とかわかったけど、パッと見全然わからなかった…。
だって、二年前の今時期、突然現れて、私の前からいなくなったのも突然で・・・
って言っても、これと言って親しい仲じゃなかったけど…!!
でも…いきなり何も言わずにいなくなったから、…驚いた…のはよく覚えてる……。
そんな三村くんが今目の前にいる・・・
私が知っている三村くんは見た目派手でチャラくて…でも目の前にいる三村くんは誰が見ても好青年で・・・
「おーい。あかねちゃん??」
完全にフリーズしてしまった私に、問いかける三村くん
「‼・・・。」
どどどうしよう。なんて返す!?
二年ぶりだし、そもそも、見た目的には初対面だし、何話せばいいの!?
って‼今年23歳にもなる人間がこんなことで戸惑ってはいけないよね…‼
ここは一発、大人の余裕ってやつを・・・
「ん?もしかして、俺のこと覚えてない…?」
とっても悲しそうな顔をする三村くんを見て正気にもどる
「いやっ‼違うよ‼覚えてるよ!たしか…二年ぶり?だよね!」
必死に返事をするも言語力も何もない・・・
大人の余裕も何もない・・・
「本当!?よかったぁ~」
安堵のため息をついた後一層笑顔になる三村くんに、
私もひと安心・・・・
って!!なんで自然に指絡ませてくるの!!!
自分の手を引っ込めようとするも、できない…
だって、これは、俗にいう恋人繋ぎ・・・