甘やかして、私だけ




「三村くん……。」







__その時、二人の間を春の暖かな風が勢いよく吹き抜けていった…







重なったままの手が急に熱くなる


声を聴きいて何とかわかったけど、パッと見全然わからなかった…。




だって、二年前の今時期、突然現れて、私の前からいなくなったのも突然で・・・


って言っても、これと言って親しい仲じゃなかったけど…!!




でも…いきなり何も言わずにいなくなったから、…驚いた…のはよく覚えてる……。




そんな三村くんが今目の前にいる・・・



私が知っている三村くんは見た目派手でチャラくて…でも目の前にいる三村くんは誰が見ても好青年で・・・



「おーい。あかねちゃん??」


完全にフリーズしてしまった私に、問いかける三村くん


「‼・・・。」




どどどうしよう。なんて返す!?

二年ぶりだし、そもそも、見た目的には初対面だし、何話せばいいの!?




って‼今年23歳にもなる人間がこんなことで戸惑ってはいけないよね…‼


ここは一発、大人の余裕ってやつを・・・




「ん?もしかして、俺のこと覚えてない…?」


とっても悲しそうな顔をする三村くんを見て正気にもどる


「いやっ‼違うよ‼覚えてるよ!たしか…二年ぶり?だよね!」


必死に返事をするも言語力も何もない・・・


大人の余裕も何もない・・・





「本当!?よかったぁ~」


安堵のため息をついた後一層笑顔になる三村くんに、



私もひと安心・・・・


って!!なんで自然に指絡ませてくるの!!!


自分の手を引っ込めようとするも、できない…

だって、これは、俗にいう恋人繋ぎ・・・









< 33 / 169 >

この作品をシェア

pagetop