甘やかして、私だけ


「離して欲しい?」

「・・・。」


離して欲しい!!

声の代わりにこくこくと首を振る



「じゃーあ、夜ご飯の前に私を食べてっ♡って…」
「言わない!!」



察した私は食い気味に否定する…


言うわけない!絶っっ対に!!そんな恥ずかしいこと!!

馬鹿じゃないの・・・まったく・・・



すると、


「じゃ、離してあげられないなぁ~」


声弾んでるけど…なんか、楽しんでない?



だけど、


目が本気だ…


まずい・・・
早くどうにかしなきゃ…でも、力じゃ敵うわけないし…




って!


徐々に近づいてくる三村くんの顔に焦りが増してゆく





いやだーーーーーぁ!!
本当に食べられちゃうよーーー!





あ!そうだ、


あることを思いついた私は、掴まれている三村くんの手を、ギュッと握り返す




「…あかねちゃん?」



止まった…!



もう鼻先が付いてしまいそうな距離に息をのむ






「っっ…三村くん離して。おねがいっ…」




熱っぽさを意識した瞳で、三村くんを下から見つめる・・・



「・・・。」



「ねぇ、きいてる?せっかく作ったのにさめちゃうよ・・・」




テーブルに置いたままのハンバーグをチラッと見る





「そ、そそそうだね!!」


めっちゃ噛んでる!!




「早く食べよう。ハンバーグを食べよう!」




三村くんはサッと私の上か退きテーブルに着く



ん?三村君、耳がすこし赤い…?








でも、本当…よかったぁぁ…‼


解放された私もテーブルに着く

こんなところでこんな奴に、くわれてたまるかっ!




おねだり大作戦、効果絶大だね!



でも、少し使い方間違えた気もしなくもないけど・・・






*:*



「うん!すごくおいしい!」

「ほんと?よかった!」



そして、おいしそうにハンバーグを食べる三村君にひとまず安心・・・










< 42 / 169 >

この作品をシェア

pagetop