甘やかして、私だけ


「うん。それ知ってる。」


「え?」


「…なんでもない!もう一口ちょうだい!」


「え~。仕方ないな…。」



もう一回プリンを、スプーンですくって食べさせてあげる



「なんか、うまい。」

「”なんか”ってなに!”超”おいしいんですけど!」


少し笑顔になった三村くんを見てうれしくなる




「ねぇ、あかねちゃん?」

「なに?」


食べる手を止めて振り向く


もうコンタクトは外したのか、眼鏡の三村くんと目が合う



「俺ね、今まで甘かったんだ…」

「はい?」

「アピールの仕方間違ってたんだ」



はいい?

何言ってるの…



「どこか自分に自信があって、あかねちゃんのこと考えずに行動して…」




完全に聞き流してテレビとプリンに集中する



「だからあんなっ…って!聞いてる?あかねちゃん!!」

「うんー。」

「絶対、聞いてないでしょ!」


「だから、聞いてるって…えぇ!?」


本当は聞いてないけど…三村くんの方向をみる


そこには、土下座してる三村くんが



「ごめん!本当にごめんっ!」

「なになに!?許す許す!許すから、そんなことやめて!」



びっくりしたなッ・・・!



「本当?」

「うん、何のことかわからなけど…」


恐る恐る顔を上げる三村くん



「朝、怒らせちゃったから…」


あぁ、起こした時の膝枕のやつね


「別にいいよ…」



実際よくないけども!


私の警戒心が足りなかったのもあるし、


そもそも、土下座までさせるほど、そんな怒ってない!





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