甘やかして、私だけ


「ほんとに?」

「本当に。」

「でも、あの時、返事してくれなかった…」

「そっ、それは…!」


恥ずかしくて、赤くなってたなんて言えない!


「掃除に集中してただけ!…だから気にしなくていいよ!」



・・・まだなんかあるの?


そう、見つめていると





「はぁ~。本気で嫌われたかと思った!」


ぐずれ落ち、うわ~ん、とかいう三村くんはいつもの三村くんだ






ってことは・・・



「だからプリン?」


空になったプリンの入れ物を見て気づく



「そう、ご機嫌取り…ってやつかな!」



「なるほど」



へらっと笑った三村くんをみて、心配して損したと思った




じゃあ、あげなきゃよかったな!プリン!


なんてね。


三村くん、いつも通りになってよかった


黙ってる三村くん三村くんじゃないみたいだったし




「ねぇ!あかねちゃん」

「なに?」

「プリンは好きでも、プリン味は好き?」


改まって、そんなことを聞いてきたけど



うーん。飴とかはよく見るし、食べるかな?

だから


「うん。好きだよ」


「じゃあ、俺とプリン味のキスをしよう?」


・・・は?


すました顔で

プリン食べたばっかでしょ?とか言ってくる三村くん



「ほら、ちゅー…」

「っ…!するかっ!!ばかたれいぃ!!」


近づいてきた顔面を両手で押し返す


「ぶっ…!顔面はちょっと!」

「うるさい!エロ眼鏡!!」

「え…。なんかそれ、その響き…ちょっとうれしい…!」



どこが!?何が!?





__こんな、三村くんを理解できる日は当分来ないだろう。そう思った・・・













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