甘やかして、私だけ



まだ、昼前なのに暑いなー


そう思って、扇風機の風を浴びてるんだけど…


「あ”-」

涼しいんだけど・・・!!


だけど・・・!!!





「ねぇ。くっつきすぎじゃない?暑苦しいんだけど…」

「そお?この家狭いから仕方なくない?」



そんな、狭くないわ!!!


どちらかというと、
ワンルームの中でも広いほうだわ!




そう、

さっきから三村くんが横にピッタリくっついてきて暑苦しいの!!!




シレっとテレビゲームをしながらよしかかってくる三村くん



もぅ!テレビ見れないうえに近い!!



扇風機がある場所から、動きたくない私が、


先にいた場所なのに!!




「いいじゃん!温もりと暑苦しさは違うから!」

「いやだ!なんか、ドキドキするんだもん!」



匂いとか体温が直に伝わってきて…

さっきからドキドキして落ち着かないんだよ!!もぅ!






「え?」



あ・・・。


なんだこの空気。


間抜けな顔になった三村くんを見て察する



…私、やばいこと言っちゃった??


ただ一緒に住んでる人にドキドキするとか、気持ち悪い??





暑さとは反対に、冷汗が垂れたとき


「…重い~っ」



うぅ…。さらに横から体重をかけてきた三村くん



「あかねちゃんのせいで負けちゃった…」

「え?私のせい?!」


テレビの画面にはゲームオーバーの文字が






「ほんと唐突…我慢するの大変…」


何か言った三村くんの耳が赤い


「三村くん耳赤いよ?」


熱中症とかだったら大変!!


熱がないか確認しようとそっと手を伸ばすと、


「っ…ほっといて!」


ふいっと交わされてしまった…


「でも!…ひやっ!」



そして、私の心配する声も、


この、太ももにある手によって遮られる




「あかねちゃん、ちょっと太った?」



そういってプニプニしてくるコイツは非常識だ・・・


「・・・。」


「はっ!怒った?」


「・・・。」


「違う違う!そーゆー意味じゃなくて!」



ほかにどんな意味があるのよ!


「ふわふわなあかねちゃんも素敵だなって!」



なにそれ・・・


最近食べ過ぎてるなって思ってたけど!

旅行から帰ってきてズボンちょっときついけど!!




フォローになってないから!それ!!






扇風機の向きを変えて三村くんから離れる


「えーーーどうしよう!」

「・・・。」


慌てたってもう遅い!

三村くんなんて知らない!!







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