甘やかして、私だけ




「言っとくけど、俺めっちゃ一途だからっ!!」


「はい?聞こえませーーーーん!!」



なんか言ってる三村くんを無視して走り続ける





ふうーーーー!!気持ちいい!!



青空の下で走るなんて超青春じゃない?

10代によくある爽快感を今感じてる・・・感じ!!






でもダメだっ!!


体力がっ…ついて行かん。


超が付くインドアだからなぁ私、




「はぁはぁ・・・疲れた・・・」



私は、足を止め呼吸を整える



「あかねちゃん、野性的スギル・・・」


そう言っている三村くんも息を切らしていて・・・




「…私たちって、そんなに、歳だっけ?」

「…いいや、まだ、20代前半!」




まだまだ若いって言いたいのに、


まだ二人とも呼吸が乱れてて






横を向くと、三村くんと目が合う




そして、





「ふっ」



どちらともなく笑い合った



二人の笑い声は、広い海の静かな波に流れて・・・






「あっ!またヒトデ見つけた!」


足元にあるヒトデを指さす


「この海ヒトデ多くない?」


「違うよ!私がヒトデにモテるのっ♪」


私は、胸を張って得意気に言った



嘘だけど・・・


でも、なぜか、昔からここでヒトデ見つけるの得意なんだよね





「じゃあさ、あかねちゃんがヒトデ一匹見つけたら、俺が一回チューしてあげる!!」


「結構です!」


「遠慮しないで?」


「してません。」



何言ってんのコイツ、調子に乗るな!




「もう、帰るよ!」


私は、完全に海から出でて車に向かう



「帰りも手繋いで引っ張ってー」



ほらーって手を出してくる三村くん



来たとき乗り気じゃなかったのに!!



手なんて絶対つながない!!



けど・・・


「また、海、一緒に来てあげてもいいよ!!」


だって楽しいもん!



そう楽しく笑って三村くんに伝えた



すると、


一瞬ギョッとして


「…今日本当に暑いね!!!!」



そう叫ぶ三村くん。


でも、聞こえてくる波音はとても心地よかった・・・









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