甘やかして、私だけ
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「うん…。うんうん」
「それでね…、今日は残業になっちゃってね…」
「そうだったんだ、大変だったね」
よしよしと寝ている私の頭を撫でる
「三村くんは?三村くんも仕事だったの?」
繋がれたもう片方の三村くんの手をギュッと握る
「いや、友達と会ってたんだけど…」
「だけど?」
三村くんは、すこし、目をそらした後
「早く帰ってくるべきだった…」
なんでだろう、ケンカでもしちゃったのかな…?
「どうして?」
気になって問いかける
「あかねちゃんがこんなに寂しがってるって知らなかったからさー!」
からかうようにそう言ってくる・・・
「だから!寂しくなんかっ…」
なに、勘違いしてるの・・・
って、本当はどうだっけ・・・。
・・・。
「うそ。寂しかった…。帰ったら三村くんがいなくてっ…」
頭を撫でる手にすり寄る
「…あかねちゃん、今日はなんか、素直だね?」
手が止まってしまった・・・
なんで?
「素直になっちゃダメなの?」
「いやいや!そんなことはない!むしろ嬉しいけど…」
「…けど?」
「なんか、調子狂うっていうか・・・なんていうか・・・」
なにが言いたいのか全く分からないな・・・