甘やかして、私だけ


:*~




「うん…。うんうん」


「それでね…、今日は残業になっちゃってね…」


「そうだったんだ、大変だったね」




よしよしと寝ている私の頭を撫でる




「三村くんは?三村くんも仕事だったの?」



繋がれたもう片方の三村くんの手をギュッと握る




「いや、友達と会ってたんだけど…」

「だけど?」



三村くんは、すこし、目をそらした後

「早く帰ってくるべきだった…」


なんでだろう、ケンカでもしちゃったのかな…?

「どうして?」



気になって問いかける


「あかねちゃんがこんなに寂しがってるって知らなかったからさー!」


からかうようにそう言ってくる・・・



「だから!寂しくなんかっ…」

なに、勘違いしてるの・・・


って、本当はどうだっけ・・・。


・・・。


「うそ。寂しかった…。帰ったら三村くんがいなくてっ…」

頭を撫でる手にすり寄る


「…あかねちゃん、今日はなんか、素直だね?」



手が止まってしまった・・・


なんで?

「素直になっちゃダメなの?」

「いやいや!そんなことはない!むしろ嬉しいけど…」

「…けど?」

「なんか、調子狂うっていうか・・・なんていうか・・・」



なにが言いたいのか全く分からないな・・・













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