甘やかして、私だけ


おぼつかない足でレジに向かい順に会計を済ませていると


「今日もありがとうね、あかねちゃん!また来てよ!
にしても、今日は随分と酔っぱらってるみたいだね」



顔見知りの店長が苦笑いでそう言ってきた




「すこしねぇ~♪夜風に当たれば少しは酔いもさめるし、ちゃんと帰れるよ!」



「そう、ならいいけど。春は変態が多くなるからくれぐれも夜道には気を付けるんだよ」




店長まで子供扱いして~~~!




「あんたの場合されるなら補導ぐらいでしょ!」




ほら!すぐまた友子がからかうんだから!




「世の中には物好きもいるからさ!一応!」




もう反抗するのもめんどくさい!







*:*~



「「「ごちそうさまでした~」」」



店長に別れを告げて、店の外に出る



外の空気を吸い込むとまだほんの少しだけ残る冬の匂いが鼻をかすめる


酔っているとはいえ、夜風は少し冷たい



そんななか友子が



「さ、帰ろ帰ろ、みんなどうやって帰るの?私はギリ、バスあるけど」



杏奈はどーするんだろう



「私は、お父さん残業でおそくなったみたいだから、駅まできてくれる!!」



「私は、近いから歩いて帰るよ!」



そう、私はこの近くのワンルームのマンションに一人暮らしをしている




「あかね一人で大丈夫?送ろうか?」

「大丈夫だよ心配無用!それに杏奈とは帰り道逆だしね」

「着いたら連絡しなさいよ」




心配してくれる二人にお礼を言いそれぞれの帰路に向かう







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