甘やかして、私だけ


「好評だったみたいなので、今回もお配りしようと思って!」


髪を耳にかけるしぐさも様になる・・・!!


じゃなくて!



数部出されたそれは、前回も社内で配られた

三村くんの勤め先のクーポン付きのチラシで




あ!なんか見覚えのある制服だなとおもえば


女性の短めのワンピースに目を向ける


前に、突然会いに来てくれた時三村くんが着ていたのと色が一緒だ


こんな綺麗な人と一緒に働いているんだ・・・。


なんだろう、胸がチクチクする






「あ、ありがとうございます。みんなきっと喜ぶと思います!」


女性からそれを受け取って笑顔でお礼を言う


私の周りでも、前回のチラシを見てお店に行った人多かったもんね!

クーポンばっかり配って赤字にならないのかな?



くだらないことを考えていると


「ねぇ、あなた、あかねちゃんでしょ?」


「ふぁい?」


…‼ びっくりして、変な声でた!!


ななななんで、こんな美人さんが私の名前知ってるの?!



「ふふっなんでって顔してるわね?」


その妖艶な笑みに女でも、ドキッとする


でも、ころころと変わっていく表情が少し怖い



「将が私と一緒にいる時もあなたのこと話すから…」


「しょ?!いっ!?」


「ただ、仕方なく一緒に住んでるだけなんでしょ?」


言葉が出ないうえに、なぜだろう、言われたことにグサッくる




そして、さらに…



「調子に乗らないほうがいいよ??ずんぐりむっくりさん♪」


「・・・。」




そんなこと、こんな綺麗な人に言われたら




もう、何も言えないよ・・・






お邪魔しましたと言って出で行くときにギリギリ見えた下の名前、





「千代子さん…」


千代子さんに帰りの返事もできず、私はゆっくり自分の席に戻った・・・







ずんぐりむっくりって・・・・なに!?





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