甘やかして、私だけ
待ち望んでいた姿に私は衝動的に動く
「もう!」
遅い。そんな意味を込めて思いっきり将くんに抱き着く
「うわっ!危ないよ急にタックルしないで…」
タックル!?失礼過ぎでしょ!!
でも、しっかりと私を受け止めてくれた将くん
やっぱり落ち着く腕の中、そこでは自分が自分らしくなくなるみたいで
「ねぇー。なんでここが分かったの?なんで追いかけてきてくれたの?なんで受け止めてくれたのーー??」
答えてーそういってより一層抱き着く
我ながら情緒不安定だ・・・自覚あり。
「ちょっと、苦しいよ…一人で泣いてると思ったのに…」
ちょっと残念そうな将くんに引く
「え、そういうフェチ?」
「それ、お兄さんにも言われた…違うから。」
だって、泣き顔みたいんでしょ?
「きもっ。」
思わず口に出てしまう本音
思わず離れようとする、が・・・
「離れちゃダメ。」
「うわっ!」
強く引き寄せられて、腕の中に戻される
「だから違うの、俺はあかねちゃんの笑顔が大好きだから…」
「…っ」
「だからよかったぁ・・・」
そう強く抱き締められる
「なにが…?」
なにがよかったの?
「あかねちゃんが、また、あの切ない顔してなくて…」
切ない顔?なにそれ。しかも、またって何??
「泣いてるのに、悲しいのに、無理して笑ってる顔」
「え?なにそれ。」
「大学やめるときも、プリン食べながら泣いてたじゃん」
え・・・。なんで、知ってるの?それ。
辞めるための書類提出した後、私は無意識にプリンを買って走って・・・ん?あれ?
そのあと、プリンを食べた…んだっけ??
「俺、あの時いた…」
「ちょ、まって!・・・」
先走る将くんに待ったをかける
えーと。えーーーーと・・・。
たしか、・・・ダメだっ!!!!
「私プリンどこで食べてた??」
「・・・。」
思い出せない!!!
あの時色々、ショック過ぎてよくわかんなくなってたからな・・・
でも、見られてたってことは外?いや食堂とか?
グルグル記憶をたどっていると
「えぇぇぇぇぇーーーーー!覚えてないの???」
「…びっくりしたぁー」
急に大声を出した将くんに驚く