甘やかして、私だけ
でも将くんにはわかんないか
わかるわけないんだよ・・・。私の気持ち。
「俺は…そうならないために…」
ずっと黙っていた将くんが苦しそうに口を開いた
でも、大丈夫でしょ…
「将くんは私みたいになんないよ」
「…っ‼」
きっと私なんて将くんから見たら、ちっぽけな人間で
なんとも思ってないんだろうし・・・。
「ちょうど今、なりそう!!」
「はっ?」
なにに?
急に大きな声をだす将くん
「あかねちゃんみたいにバカみたいに泣いて、バカみたいに我慢して、バカみたいに孤独になりそう!!」
「…ばっバカって!!」
いま、何回バカっていった!?
「人にバカって言うとか、信じらんない!」
「だってバカだから!!」
「はぁ!?」
かっちーんと来た!!このぉっ!
自然と出来上がった拳をガシッと掴まれる
「散々俺に期待させといて、今更なかったことみたいにすんな!」
は…?期待…?
掴まれている手に力が入る
そして、
「ずっと前から片思いしてる子に、やっと振り向いてもらえたと思ったのに、」
「え…」
「急に距離置こうとされるなんて、俺、無理だから。」
なにそれ・・・意味わかんない。
「・・・。」
「好き。 …俺、あかねちゃんのことが昔から大好き!!」
え・・・。いま・・・。
はっきり、好きって…
で、ででもっ!!
「嘘だ。」
こんな、カッコいい人が!優しい人が。。。!
信じられなくて将くんに疑いの目を向ける
「え!?このタイミングでそんなこと言う!?」
「だって、信じられないんだもん!」
どう考えても、こんな自分に・・・
あり得ない!?
「こんな時まで素直じゃないの?」
まったくと言ったようにうなだれる将くん
ほらぁ!もう呆れられた・・・。