私の失恋の行き着く先は…No.4
「お連れ様はお越しになられています。こちらへどうぞ」
女将に案内されながら、蓉子さんの後ろを付いていくと、一番奥の個室に通された。
お連れ様ってどういうこと?
てっきり蓉子さんと二人で晩御飯を食べるものと思っていた。
もしかして専務だろうか?
女将が襖を開け、蓉子さんが中に入っていく。
「お待たせしちゃって、ごめんなさいね」
「いえ、先ほど着いたところですから」
中から聞こえる声の主は専務ではない。
なにより、専務なら蓉子さんに敬語は使わない。
怪訝に思いながら中に入って…、驚きのあまり仰け反ってしまった。
目が点になるとは、こういう状態のことをいうのだと思う。