私の失恋の行き着く先は…No.4
「ちょっと!蓉子さん!待ってください!」
そう言ったところで、蓉子さんは待ってくれるような人物ではない。
襖がピシャリと閉じられ、呆然と立ち尽くす。
ゆっくりと後ろを振り返ると、鈴森課長と目が合った。
「いつもお世話になっています。北原さん」
鈴森課長は肩を震わせて笑っている。
「ど、どうも…」
ひとまず座った。
「いつもと雰囲気が違うね」
「えっ、えーっと、仕事終わりに蓉子さんに拉致されまして、着せ替え人形みたいにあれよあれよという間にこうなってました」
仕事中の私は無難なスーツに長い髪はひとつに縛り、メイクも必要最低限にしかしない。
今の私はまさにドレスアップした状態。
上質なワンピースにハーフアップで軽く巻いた髪型、そして完璧なメイク。