私の失恋の行き着く先は…No.4


「可愛いよ」

「は!?か、かわ!?」

一気に顔に熱が帯びる。

完璧なメイクをしていても、きっと顔は赤くなっている。

「そう。可愛い」

鈴森課長はまた肩を震わせて笑っている。

「課長、からかわないでください。それより、私、今日は蓉子さんと晩御飯の予定なんですけど」

「あぁ、聞いてないのか…」

課長は小さく呟いて、うんうんと納得している。

「課長?」

「北原さん、これは見合いだよ」

「へ!?み、見合い!?」

見合い、見合い、見合い…見合いー!?

頭の中は真っ白。

血の気は引いて顔面蒼白。

「そう。見合い」

課長は真剣な表情で、熱い視線で私を見つめている。



< 13 / 35 >

この作品をシェア

pagetop