私の失恋の行き着く先は…No.4
「見合いって、課長と、私が…?」
「他に誰がいるの?」
確かに個室にいるのは、課長と私だけど…。
「ちょっと、お水、飲んでも、いいですか?」
言葉がうまく出ない。
すっかり喉は渇ききっていてカラカラだ。
「あぁ、折角だし食べようか」
目の前には豪華な日本料理が並んでいる。
きっと食べても味なんてわからないかもしれないけれど、なにかしてないと落ち着かない。
「いただきます」
課長は綺麗な所作で次々と料理を平らげていく。
「北原さんは嫌いなもの、ある?」
「いえ。私、好き嫌いないんです。なんでも食べます」
「俺も。近所にイタリアンの店が出来たんだけど、今度一緒に行こう」
「イタリアン…。一緒に…。一緒に!?ゴホッ!」
「大丈夫?」
むせて返事が出来ず、頷くのが精一杯。