私の失恋の行き着く先は…No.4
忘れられない人
泣き顔を隠すように俯いた。
こんなみっともない姿を見られるのは恥ずかしい。
「北原さん!ちょっと待って!」
なぜか課長が焦っているような、慌てているような様子に思わず顔を上げた。
いつの間にか課長が私の隣に座っている。
その距離の近さに驚いた。
「北原さん、身代わりってなに?」
そんなこと、私に訊かれても困る。
「つまり、忘れられない人とは結ばれないから、見合いした、とか?」
「北原さん、妄想癖でもある?」
「ないですよ!そんなもの!」
「じゃあ、俺の話をちゃんと聞いて」
「はい…」
あまりにも至近距離に顔が近づいてきて、咄嗟に身体を引いた。