私の失恋の行き着く先は…No.4
「課長?」
怪訝に課長を見ると、苦笑いしている。
「送ってく。帰ろう」
課長が立ち上がった。
さっきまで手を伸ばせばすぐ手の届く距離にいたのに、急に距離が離れて寂しく感じた。
「課長」
私も立ち上がって、課長の腕を掴んだ。
「私も遠慮や我慢しないって決めました。だから、あの…」
一体私はなにを言いたいんだろうか。
課長とは身長差がかなりあって、見上げる形になった。
課長は驚いた表情で私を見下ろしている。
「北原さん、そんな上目遣いで煽らないで」
「えっ!?」
上目遣い?
煽る?
一瞬間が空いて、ようやく理解した。
ものすごく顔が熱い。
「理性かき集めて抑えてるから」