私の失恋の行き着く先は…No.4
エピローグ
「で、うまくいったのね?」
「はい」
なんだか、蓉子さんの罠にまんまと嵌まった気がするんだけど、気のせいだろうか。
「梢、幸せね。相手はあの鈴森課長だし」
「はい」
「今度、二人でウチに遊びに来てよ。旦那も楽しみにしてる」
「専務が、ですか?」
「長年の課長の片思いが実ったって言って、喜んでたわよ」
長年の課長の片思いって…。
私も同じ年月、片思いしていた。
課長以外には誰にも言ってないけれど。
蓉子さんとのランチを終えて経営戦略部のフロアに戻ると、課長と目が合った。
課長はニコリと微笑んでくれる。
不意に後ろから肩を叩かれて身体が跳ねた。
「北原、良かったな」
「仙道くん?」
「課長とうまくいったんだろ?」
「えっ!?なんで知って!?」
思わず驚きの声が出て、咄嗟に口を両手で覆った。
課長とのことは、まだオープンにしていない。