私の失恋の行き着く先は…No.4


「失礼しますよ~」

縦にも横にも大きな体格の大男が入ってきた。

あれは、営業部の田中部長だ。

これまで数々の契約をとってきた営業部のトップ。

部長自らここに来るなんて、余程の重要案件なのだろうか。

全員の視線が田中部長に集まる中、斎藤部長の元へとズンズン歩いていく。

「どうされました?」

さすがの斎藤部長も驚いている。

「いやぁ、ウチの連中がご迷惑おかけして申し訳ない。どうも諦めが悪くて、私自ら出向きました」

田中部長は豪快に笑っている。

「もしかして」

斎藤部長は立ち上がると、私と目が合った。

なんで!?

気のせい、だよね?

すると、田中部長がゆっくりと振り返り、私を見た。

私、田中部長と面識ないけど!?

もしかして、なにかヘマしたんだろうか!?

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