私の失恋の行き着く先は…No.4
「北原、顔色悪くないか?」
同期の仙道くんが私の隣に立った。
「気のせいでしょ。私は今日も元気だよ」
私は真っ正面を向いたまま、自分に言い聞かせるように答えた。
仙道くんは納得していない様子だったけど、朝礼が始まり、それ以上は追及してこなかった。
正直、朝礼の内容は全く頭に入ってこない。
鈴森課長の声がただ遠くに聞こえる。
私は鈴森課長の笑顔が好きで、低くて落ち着いた声が大好きだった。
すぐに忘れることは出来ないし、切り替えることも出来ないだろう。
でも、鈴森課長を好きになって良かった。
幸せな恋をした。
これからは仕事を頑張ろう。
せめて仕事で役に立ちたい。
朝礼が終わると、私はいつも通り仕事を始めた。