エリート上司の甘く危険な独占欲
第九章 想いを言葉にのせて
華奈は仕事のあと、帰る支度をして九階に向かった。オンライン社内掲示板の予定表を確認すると、颯真は午前の飛行機で大阪に戻ってきて、出社しているという。
華奈は総合販売部のドアをノックして開けた。フィーカの全国の販売店を管理する総合販売部は、貿易管理部よりも人数が多く、当然オフィスも広い。
「失礼します」
華奈は一歩中に入って奥の部長席を見た。颯真はデスクにはおらず、オフィスには何人か社員は残っているが、見回しても彼の姿はなかった。華奈は入り口に一番近い席にいた男子社員に声をかける。
「すみません、一之瀬部長はまだお戻りじゃないですか?」
入社したてと思しき真新しいスーツに身を包んだ彼は、ピッと背筋を伸ばして答える。
「は、はい! 広報の方に呼ばれて第二会議室に行かれています」
「ありがとう」
華奈はドアを閉めて総合管理部を出た。
会議室の使用予定表を思い出したが、今日は第二会議室に予約は入っていなかったはずだ。重要な会議が開かれているわけではないだろう。相手が広報部の社員ということは、社内報のインタビューかなにかかもしれない。
華奈は総合販売部のドアをノックして開けた。フィーカの全国の販売店を管理する総合販売部は、貿易管理部よりも人数が多く、当然オフィスも広い。
「失礼します」
華奈は一歩中に入って奥の部長席を見た。颯真はデスクにはおらず、オフィスには何人か社員は残っているが、見回しても彼の姿はなかった。華奈は入り口に一番近い席にいた男子社員に声をかける。
「すみません、一之瀬部長はまだお戻りじゃないですか?」
入社したてと思しき真新しいスーツに身を包んだ彼は、ピッと背筋を伸ばして答える。
「は、はい! 広報の方に呼ばれて第二会議室に行かれています」
「ありがとう」
華奈はドアを閉めて総合管理部を出た。
会議室の使用予定表を思い出したが、今日は第二会議室に予約は入っていなかったはずだ。重要な会議が開かれているわけではないだろう。相手が広報部の社員ということは、社内報のインタビューかなにかかもしれない。