エリート上司の甘く危険な独占欲
華奈は第二会議室の近くで颯真を待つことにした。廊下の奥に自動販売機コーナーがあるので、そこを目指す。第二会議室の前を通りかかったとき、ドアが少し開いているのに気づいた。通り過ぎようとしたとき、中から女性の声が漏れ聞こえてくる。
「お願いします。私の気持ちを受け止めてください! 好きなんですっ」
絶叫に近いその声を聞いてしまい、思わず華奈の足が止まった。およそ会議室でするような会話ではない。
女性の訴えるような声が続く。
「私っ、一之瀬部長にならなにをされてもいいんです。本当です!」
(あっ)
華奈は両手を口に当てた。中にいるのは颯真と広報部の社員という話だった。止めるに入るか。それとも、素知らぬふりをしてドアを開けて、「あれ、会議室、使用中でした?」とでも言ってとぼけようか。
迷っている間に、颯真の冷静な声が聞こえてきた。
「やめなさい。そんなことをしても、俺がキミを好きになることはない」
「だったら……私っ、一之瀬部長にひどいことをされたってみんなに言います!」
「そんなことをしたら、キミは俺以上に傷つくことになる。やめておきなさい」
「お願いします。私の気持ちを受け止めてください! 好きなんですっ」
絶叫に近いその声を聞いてしまい、思わず華奈の足が止まった。およそ会議室でするような会話ではない。
女性の訴えるような声が続く。
「私っ、一之瀬部長にならなにをされてもいいんです。本当です!」
(あっ)
華奈は両手を口に当てた。中にいるのは颯真と広報部の社員という話だった。止めるに入るか。それとも、素知らぬふりをしてドアを開けて、「あれ、会議室、使用中でした?」とでも言ってとぼけようか。
迷っている間に、颯真の冷静な声が聞こえてきた。
「やめなさい。そんなことをしても、俺がキミを好きになることはない」
「だったら……私っ、一之瀬部長にひどいことをされたってみんなに言います!」
「そんなことをしたら、キミは俺以上に傷つくことになる。やめておきなさい」