エリート上司の甘く危険な独占欲
 華奈はちょこんと横向きに彼の膝に座った。

「昨日、華奈からキスしてくれて嬉しかったな」

 彼が華奈の唇を人差し指でそっとなぞった。華奈の頬が赤みを帯びる。

「颯真さんがしてほしいって言うなら……いつでもいいよ」
「じゃあ、して?」

 彼に甘えるように見つめられ、華奈の心臓がキュンと鳴った。昨日のように頬にキスをすると、颯真が不満そうに言う。

「そんなんじゃない」
「えー」

 華奈は戸惑いながらまぶたにキスをした。

「そこも違う」
「もう」

 華奈は颯真の唇にそっと自分の唇を重ねた。直後、華奈の後頭部に颯真の手が回され、キスがぐっと深くなる。

「ほ、ほうまは……」

 颯真さ、と言いかけた言葉を、彼の唇が飲み込んだ。貪るように唇を奪われ、華奈の全身がカーッと熱くなる。
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