エリート上司の甘く危険な独占欲
最終章
 リズミカルなスマホのアラーム音が徐々に大きくなり、華奈はゆっくりと目を開けた。焦点の定まらないまま目をパチパチさせると、目の前に愛しい人の顔がある。

「華奈、おはよう」

 額にチュッとキスが落とされた。

「朝ご飯、できたよ」
「え?」

 華奈は眉を寄せた。

「今日は私が朝食当番だった気が」
「いいんだ。俺の方が先に目が覚めたから。それに、眠り姫を心ゆくまで眠らせてあげたいと思ってね」
「颯真さん……」

 華奈が胸を熱くさせると、颯真がニッと笑う。

「なにより華奈のかわいい寝起きの顔が見られるからね」
「えーっ」
(すっぴんだし、絶対寝癖もついてるし!)

 華奈は毛布を目の下まで引き上げた。

「それじゃキスできない」

 颯真が毛布を引き下げたかと思うと、華奈の唇をキスで塞ぐ。

「そうみゃひゃん……」

 “颯真さん”と言いたかったであろう華奈の言葉を聞いて、颯真が噴き出す。
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