エリート上司の甘く危険な独占欲
第五章 昇進した理由
あと三十分で終業時間の六時になる、というときだった。貿易管理部のオフィスのドアが開いて、颯真が入ってきた。珍しく深刻そうな表情で麻衣のデスクに近づく。
「このスタンドライトの発注は、相原さんが担当だったよね?」
颯真はカタログ開いて麻衣のデスクに置いた。そのページには赤や水色、黄色などの色ガラスを使ったステンドグラス風のスタンドライトが載っている。アンティーク調だが色の組み合わせがポップなため、合わせるインテリアを選びそうだ。
「そうです」
麻衣が不安そうな声で答えた。
「先月、発注を二重に出したんじゃないかな。在庫がおかしいって物流部から連絡があった」
「えっ」
麻衣が表情を曇らせ、パソコンを操作して先月の発注伝票をモニタに表示させた。内容を見て、真っ青になる。
「どうしよう……」
「発注をミスしたのか!?」
ガタン、と音がして、柊一郎がデスクに両手をついて立ち上がった。
「す、すみませ……」
麻衣が泣きそうな声で言った。柊一郎が華奈のデスクに近づく。
「チェックをしたのは川村主任だな? 主任になっていきなり大きなミスだな。取り返しがつかないぞ。こんなミスをするなんて、やっぱりキミは主任に向いてないんじゃないか?」
「このスタンドライトの発注は、相原さんが担当だったよね?」
颯真はカタログ開いて麻衣のデスクに置いた。そのページには赤や水色、黄色などの色ガラスを使ったステンドグラス風のスタンドライトが載っている。アンティーク調だが色の組み合わせがポップなため、合わせるインテリアを選びそうだ。
「そうです」
麻衣が不安そうな声で答えた。
「先月、発注を二重に出したんじゃないかな。在庫がおかしいって物流部から連絡があった」
「えっ」
麻衣が表情を曇らせ、パソコンを操作して先月の発注伝票をモニタに表示させた。内容を見て、真っ青になる。
「どうしよう……」
「発注をミスしたのか!?」
ガタン、と音がして、柊一郎がデスクに両手をついて立ち上がった。
「す、すみませ……」
麻衣が泣きそうな声で言った。柊一郎が華奈のデスクに近づく。
「チェックをしたのは川村主任だな? 主任になっていきなり大きなミスだな。取り返しがつかないぞ。こんなミスをするなんて、やっぱりキミは主任に向いてないんじゃないか?」