エリート上司の甘く危険な独占欲
「笑った顔も泣いた顔もかわいいと思ってたけど、困った顔もかわいい。困らせたくなるな」

 華奈は頬を赤くして反論する。

「もうすでに困らされているんですけど!」

 颯真は華奈の肩をふわりと抱き寄せた。

「あれはね、どれも華奈に似合うから俺が華奈にプレゼントしたいと思ったんだ。俺が勝手にやったことだから、華奈は気にしなくていい」
「気にしなくっていいって言われても……」

 華奈が言いよどむと、颯真が不満そうになる。

「華奈が喜んでくれるなら、俺も嬉しい。華奈は俺に嬉しくなってほしくないの?」

 拗ねたようにチラリと視線を投げられ、華奈はドギマギする。

(その顔でその表情は反則ですっ!)

 さらに眉を下げる華奈の耳元に、颯真がささやく。

「どうしても気になるなら、別の形でお礼をしてくれればいい」

 耳たぶにふっと息を吹きかけられて、華奈の頬がカァッと熱を持った。

「どうすれば俺が喜ぶか、わかるよね?」

 甘いささやき声に背筋がゾクリとした。抵抗できずに小さく首を縦に振ったとき、店員が戻ってきた。颯真にクレジットカードと商品の入った紙袋を渡す。
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