口づけは秘蜜の味
間もなく…車は見慣れた街に戻ってきた

「どの辺だ?」

近くまで来て、神上さんが停まれそうなところを探し始めたので一番近いコンビニを指した

「あっ、そこのコンビニで大丈夫です

車はコンビニの駐車場に静かに滑りこんだ

「ここの上なのか?」

「そこの道を入った所なんです…前の道が狭いから…」

すると神上さんが上着を掴んで

「なら、危ないから下まで徒歩で行こう」

と車を降りた

「大丈夫ですよ!いつも独りであるいていますし…」

「いいから、こういう所では甘えるのがいいんじゃないか?少なくともオレはそれが嬉しいが…」

そして、車を降りた所でまた手を繋がれた

やっぱり大きくて…温かい手…

そう言われて拒否するのもおかしいので言葉に甘えてマンションの下まで来てもらった

エントランスで手を離そうとしたらぐっと手を胸に近づけた……

「また、食事に行こう…舞花と食べると旨い気がする」

「はい…」

手を離そうとしたその瞬間

「んっ…」

グイっと引き寄せられて後頭部をロックされ……あとは噛み付くような激しいキスが降ってくる

しばらく口づけを交してから…離れると

そして、手に何やら手渡された

「糖分補給、しておけよ?疲れてるみたいだから」

「あ、有難うございます……」

手に残されたのは四角い箱

「これは?」

「甘いものらしい……マカロンとか言うんたそうだ」
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