口づけは秘蜜の味
恥ずかしかったけれど交換して食べていると
神上さんが旨い…とまた小さく呟いた

(気に入ってくれたなら良かったけど…)

頂いたランチボックスはパンもセットになったサラダもとても美味しかった!

私が食べ終わる頃、神上さんが私のお弁当箱を丁寧に包みなおして手渡してくれた

「ごちそうさま……なぁ…舞花…」

「はい」

今は二人きりだから?柔らかく私の名前を呼んだ

「女性は……男性に何をして貰ったら喜ぶものなんだ?イマイチ分かんないんだが…」

唐突に神上が言い出した


「聞いちゃいますか?この彼氏がいない女子力の低い私に…」

「女子力…いつもそれを聞くたびに思うんだが、どこでその力とやらを測るんだ?いつも疑問なんだ…」

ロジカルな神上さんらしい発想だ


(実は僅かだけれど表情も動くし、何となく…わかりやすい気がする)

「神上部長は女子力高そうですね。身の回りも身だしなみもキチッとしてるし、デスクもキレイに整頓されているし」

いつみてもきれいで、ついつい手の届く場所に積んでしまい…ごちゃごちゃの私のデスクとは大違いだ

「オレが?………料理はできない、服は順番に着てくるだけだが……?」

「意外です…自分で何でもこなしそ…う…」

そこまで呟いてから気がついてしまった

(婚約者さんの手が入ってるんだ…)

傷口に自分で塩を塗ってしまったようだ
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