口づけは秘蜜の味
今度は流されたんじゃない
はっきりとした自分の意思だった
目覚めた部屋はホテルの一室で…
隣には穏やかな顔をして柔らかい微笑みを浮かべて眠る神上さんが居て…
その赤い唇に昨晩の熱を思い出す
一晩中
舞花、可愛いと繰り返して愛してくれた
…力強く翻弄されながら私は声が嗄れるまで啼いた
この間は流されたけれど
今日は私が望んだ
たとえ結ばれなくても今日だけはと願った
朝日が登り始めたこの時間に……
冷静な思考が戻ってくる
今は家出中とはいえ、神上さんには婚約者がいる
彼女が戻った時には……
私の居場所なんて彼の傍にはないのだ
朝はさすがに一緒に出られない…そう思った
惨めになりたくない
また、何が望みだなんて言われたら
今度こそ死んでしまいたくなるだろう…
(一晩限りの夢でいいから……)
寝ている神上さんを起こさないように身支度を整えて
財布から諭吉さんを一枚抜き出し、メモに先に帰る旨を書いて
神上さんの荷物の上に置いて部屋を出た
これは私が決めたことだ、流されたんじゃない
泡沫の夢で良いから愛されたんだ
とぼとぼ歩くなんて勿体ない
(上を向いて堂々としてやるんだから!)
涙が溢れてきた…でも、後悔なんてしてない
これで本当に想いを断ち切ろう
はっきりとした自分の意思だった
目覚めた部屋はホテルの一室で…
隣には穏やかな顔をして柔らかい微笑みを浮かべて眠る神上さんが居て…
その赤い唇に昨晩の熱を思い出す
一晩中
舞花、可愛いと繰り返して愛してくれた
…力強く翻弄されながら私は声が嗄れるまで啼いた
この間は流されたけれど
今日は私が望んだ
たとえ結ばれなくても今日だけはと願った
朝日が登り始めたこの時間に……
冷静な思考が戻ってくる
今は家出中とはいえ、神上さんには婚約者がいる
彼女が戻った時には……
私の居場所なんて彼の傍にはないのだ
朝はさすがに一緒に出られない…そう思った
惨めになりたくない
また、何が望みだなんて言われたら
今度こそ死んでしまいたくなるだろう…
(一晩限りの夢でいいから……)
寝ている神上さんを起こさないように身支度を整えて
財布から諭吉さんを一枚抜き出し、メモに先に帰る旨を書いて
神上さんの荷物の上に置いて部屋を出た
これは私が決めたことだ、流されたんじゃない
泡沫の夢で良いから愛されたんだ
とぼとぼ歩くなんて勿体ない
(上を向いて堂々としてやるんだから!)
涙が溢れてきた…でも、後悔なんてしてない
これで本当に想いを断ち切ろう