口づけは秘蜜の味
そこに居たのは『ルチア』の会長で…
母体の商社の役員…確か今は海外事業部の統括役員だった

「え?」

「あれ、雅哉……まさか話してないのか?」

「これから話すところでしたよ父さん…先走りすぎです」

父さん?……二人は並んでいると……

似ている気がした

(何処かの御曹司じゃなくて………海外に行っている…会長の息子さん?!)

…ご両親は海外に行っているとか
既に弟さんの婚約者が一緒に住んでいるとか…

そうか考えたら広い家ならではか……

「改めまして、雅哉の父、守元惣士郎と言います」

(苗字が違う………)

私が不思議そうな顔をしたのがわかったのだろう
優しく雅哉さんが教えてくれた

「オレはね、守元の家からは出ていて母の実家の跡取りになっているんだ、そこが神上……名前を残すためにね」

「そうだったんですね……」

「まぁ難しい話はおいておいて……今夜はウチに来るだろ?舞花…」

急に……雅哉さんが低く響く声で耳元で囁くから
ビクリと身体が跳ねる…

大きな黒目をキラキラさせてそんな声で言われたら……色気がありすぎて困ります!!

と、そこで……

「あ、あの……今日は……」

お誘いしておもてなしするチャンスじゃないかな!と思いたつ

「ん?」

「ウチに…来ませんか?うちなら道具も揃ってますし…慣れているので調理しやすいですし…」

そう、家庭料理が食べたいと言っていたので
望みを叶えたいななんて思っていたのだ
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