口づけは秘蜜の味
「それは……嬉しい誘いだ、是非行かせてもらうよ」

目を細めた雅哉さんに安堵する

「ふむふむ、仲良さそうでいいね!一緒に行こうかな!」

(はっ!会長がいらしたんだった!!)

「だめです、邪魔しないでください父さん…父さんと母さんには舞花とちゃんと会う場を作るから……大体急に帰ってきてそんな事を言わないでください」

少し不機嫌そうに雅哉さんが呟くと、会長は首を竦めた

「はいはい、アー怖い、わかったわかった…邪魔はしないよ……舞花さん、一緒に食事ができる日を楽しみにしてるよー!じゃあ社長に挨拶してくるよ!」

「は、はい……よろしくお願いします!」


そして足早にエレベーターホールへ行ってしまった

後ろには秘書らしき人もついていた

ノリが軽いように見える人だけれど…

やはり貫禄もあって緊張してしまう

すると雅哉さんが背中をポンポン、頭をポンポン

優しく叩いた

「有難うな?合わせてくれて……あの通り自由人で困るんだよ…ホントに………それにまずは舞花のご両親に挨拶に行くからな?」

その優しさが嬉しかった


「有難う…」

「じゃ、ウチに行くの楽しみにしてるよ…たぶん残業にはなるけどなるべく早く終わらせるから」

雅哉さんがついにうちに来る!
自分で、誘ったくせに

ドキドキしてしまう…

「はい…」


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