口づけは秘蜜の味
狭いですけど…と通した家…

雅哉さんがそこにいるってだけで何だか違う部屋のようだ

「あの……先にお風呂もすぐ入りますし…良かったら……もしくはテレビでも見て待っていてくださいね?」

「あ、うん……楽しみにしてるよ」
  
そういって雅哉さんはジャケットを脱いで、ネクタイを引き抜いてシャツのボタンを1つ開けた

その仕草にドキドキして…
心臓がバクバク音を立てたので
倒れないように急いでキッチンに立ったら後ろからきゅっと抱きしめられてしまい

ますますドキドキしてしまう

「この姿…可愛くてやばいから……先にお風呂頂いてくるよ」

肩口に囁かれる甘い声に身体がキュッと音を立てるように苦しくなる

な、な、何を言うんですか!
貴方のほうが色気駄々漏れてますけど!!

「……ど、どうぞ…」

心臓が保つかな私!!



用意した食事を平らげて……

「舞花も入っておいで?疲れたろう?」

と、お風呂も入って……実は買っておいた人気の肌触りの良いふわふわの部屋着を手渡したので……

リラックスして貰えるかな?なんて思ったけれど
思った以上に雅哉さんに似合って

私はリラックスどころか緊張で身体が固まってしまった

二人並んでいると雅哉さんがぽつりと言い出した

「それ、反則じゃないか?」

「へ?」

うつむいておでこに手を当てた雅哉さんがちらりとこちらに視線を流した

その艶めいた視線にどきりとする

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