口づけは秘蜜の味
「可愛すぎる……食べてくださいって札がさがってる……うさぎみたいだけど…食っていいの?」

「く……う?」

口調がくだけた雅哉さん、リラックスしてくれてるのかなってそこじゃない!そこじゃないのよ私!!

なんて訳のわからないことを考えているうちに
伸びてきた腕に後ろから抱きとめられた

「このうさぎを捕食すると決めたから
今夜は寝かさないけど…?」

「あ……の」

くるりと体を入れ替えられ口づけると

「まぁ、もう逃がさないけどね?」

そう言って、つんつんと指を触られた

すると指に違和感を感じて………見やると…

「あ……」

光を綺麗に反射したダイヤモンドがついた

「坂下舞花さん……僕と結婚してください」

「はいっ!結婚させていただきます!!」

つい答えた答えだけど……

なんかへん?

「ったく……まぁいいか…可愛いからもう絶対に離さないから、イヤだなんて言うなよ?」

「……はい…」

そのまま……
身体をふわりと持ち上げられて

寝室へ連れて行かれた翌朝は……

仕事に行っても
身体中が痛くて悲鳴を上げていたことは

会社では言えなかった


勘違いから始まって、不思議な暗号のプロポーズ

冷徹?な彼は実はとっても甘い人でした




その日、朝目覚めると鈴蘭の可愛らしい花束を貰った

「鈴蘭?」

そういえばメモ帳も鈴蘭だった……

「可愛らしいからね…」

そんな風に言っていたけれど

あとで調べたら

「幸福が訪れる、清らかな愛情」

それも素敵なプロポーズの1つだったらしいです




fin


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