永遠の恋を君に
「じゃあまた明日ね!」
「うん!またね!」
6時間の授業を終えて、直樹の待つ車の前で瑠璃子は手を振って帰っていった。
「おかえりなさいませ。沙夜香様。」
「ただいま、直樹さん。」
直樹が沙夜香の鞄を受け取って扉を開ける。沙夜香が乗り込むと同時に扉は閉められて、すぐに車は出発した。
「あの方はお友達ですか?」
車が走り出してもなお手を振り続けている瑠璃子を見て直樹は尋ねた。
「うん。初等部からの友達で、園澤瑠璃子っていうの。とっても明るい子で、いつも一緒にいるのよ。」
思わず笑顔で説明していると、バックミラー越しに直樹と目があった。
「素敵なお友達ですね。」
直樹は完璧な笑顔で笑ってから視線を外した。
「うん!」
沙夜香はいつも以上に元気に返事をした。
たった4日で好きになるなんてありえない。ずっとそう思っていたけど、
(やっぱり好き…なのかな?)
自分の気持ちを認めようとすると、今朝の瑠璃子の言葉が蘇ってくる。
『お家破綻だもの。』
そしてまた自分の気持ちに蓋をした。
「…沙夜香様?」
しばらく黙ったままだった沙夜香を不審に思い、直樹は声をかけた。
「ううん。何でもない!それより…」
沙夜香は一瞬言うのを躊躇って言葉を続けた。
「この前のペンダント、とっても素敵ね。」
この前と言われて直樹は分からなかったのか、少し考えてから、あぁ。と納得したようだった。
「ありがとうございます。あれは大切な人に頂いたものなので。」
「大切な人って?お付き合いしている人、とか…?」
沙夜香は少し興味があって無意識に聞いた。
その質問をはぐらかす様に、直樹は車を降りて後部座席の扉を開けた。
「沙夜香様、到着致しましたよ。」
車を降りて沙夜香は一目散に自分の部屋に行く。
制服のまま、鞄と共にベッドへ倒れ込んだ。
明らかに直樹は沙夜香の質問を無視した。聞こえなかったなんてありえなかった。
「どうしよう…直樹さんに悪いことしちゃった…」
沙夜香はその事で頭がいっぱいだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『さやちゃん…』
懐かしい声が聞こえる。心地よい声。
(あなたは誰…?)
その声のする方を見ても誰もいなくて、ただ声だけが響いてくる。
『大きくなったら結婚しようね。約束。』
『うん!約束!』
遠くなっていく声を、私は追いかけた。
(待って…!)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ふと目が覚めた。
いつの間にか眠っていたらしい。気づけば窓の外はオレンジ色に染まっていた。
制服のままだった事に気がついて、沙夜香さ服を着替える。くくったままだった髪も下ろして、机に向かおうとした時だった。
「うん!またね!」
6時間の授業を終えて、直樹の待つ車の前で瑠璃子は手を振って帰っていった。
「おかえりなさいませ。沙夜香様。」
「ただいま、直樹さん。」
直樹が沙夜香の鞄を受け取って扉を開ける。沙夜香が乗り込むと同時に扉は閉められて、すぐに車は出発した。
「あの方はお友達ですか?」
車が走り出してもなお手を振り続けている瑠璃子を見て直樹は尋ねた。
「うん。初等部からの友達で、園澤瑠璃子っていうの。とっても明るい子で、いつも一緒にいるのよ。」
思わず笑顔で説明していると、バックミラー越しに直樹と目があった。
「素敵なお友達ですね。」
直樹は完璧な笑顔で笑ってから視線を外した。
「うん!」
沙夜香はいつも以上に元気に返事をした。
たった4日で好きになるなんてありえない。ずっとそう思っていたけど、
(やっぱり好き…なのかな?)
自分の気持ちを認めようとすると、今朝の瑠璃子の言葉が蘇ってくる。
『お家破綻だもの。』
そしてまた自分の気持ちに蓋をした。
「…沙夜香様?」
しばらく黙ったままだった沙夜香を不審に思い、直樹は声をかけた。
「ううん。何でもない!それより…」
沙夜香は一瞬言うのを躊躇って言葉を続けた。
「この前のペンダント、とっても素敵ね。」
この前と言われて直樹は分からなかったのか、少し考えてから、あぁ。と納得したようだった。
「ありがとうございます。あれは大切な人に頂いたものなので。」
「大切な人って?お付き合いしている人、とか…?」
沙夜香は少し興味があって無意識に聞いた。
その質問をはぐらかす様に、直樹は車を降りて後部座席の扉を開けた。
「沙夜香様、到着致しましたよ。」
車を降りて沙夜香は一目散に自分の部屋に行く。
制服のまま、鞄と共にベッドへ倒れ込んだ。
明らかに直樹は沙夜香の質問を無視した。聞こえなかったなんてありえなかった。
「どうしよう…直樹さんに悪いことしちゃった…」
沙夜香はその事で頭がいっぱいだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『さやちゃん…』
懐かしい声が聞こえる。心地よい声。
(あなたは誰…?)
その声のする方を見ても誰もいなくて、ただ声だけが響いてくる。
『大きくなったら結婚しようね。約束。』
『うん!約束!』
遠くなっていく声を、私は追いかけた。
(待って…!)
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ふと目が覚めた。
いつの間にか眠っていたらしい。気づけば窓の外はオレンジ色に染まっていた。
制服のままだった事に気がついて、沙夜香さ服を着替える。くくったままだった髪も下ろして、机に向かおうとした時だった。