永遠の恋を君に
ふと昔の風景を思い出した。夢で見るのと同じ男の子。たくさんの看護師さんと、お父さん。

「私、この景色を知ってる。」

本棚から1冊のアルバムを取り出した。何故だか、このアルバムがある事を忘れていた。ずっとここにあったはずなのに。

パラパラとページを捲って見つけた。あの夢と同じ写真。
夢では見えなかった男の子の顔だってはっきりと写っていた。

その写真をアルバムから取り出した時、口元に布が当てられて、頭に鈍い痛みを覚えた。助けを呼ぼうとしても、声が出せない。

(たすけて…誰か…)

遠ざかる意識の中で、手に持った写真をポケットに入れた。
< 47 / 53 >

この作品をシェア

pagetop