永遠の恋を君に
「ごめんなさい。ずっとお兄ちゃんの事忘れてたの。とっても大好きだったのに…。ごめんなさい…」

大粒の涙を流す沙夜香をそっと抱きしめるように、直樹は肩を抱いた。

「いいえ。沙夜香様はちゃんと覚えてくれていました。あの日の約束を。」

「あの日の約束?」

少し考えてから思い出した。もしかして…

「もしかして、結婚の…?」

直樹は嬉しそうに微笑んだ。

「っ、だけど!あれは小さい頃の約束で!直樹さんには婚約者が居るって…」

「小さくてもあれは約束です。婚約者は沙夜香様以外いらっしゃいませんよ。」

思い出せませんか?と、胸ポケットからあのペンダントを取り出した。

「これをくれたのは沙夜香様です。」

けれど…と直樹は沙夜香から離れて言った。

「沙夜香様がお嫌でしたら、約束ではありませんよ。」

「嫌。」

沙夜香があまりにも早く答えたので直樹は目を見開いた。
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