私も彼に愛されたい!


「ひかる…」

峻くんが優しく私を呼ぶ。
優しくしないで。
その優しさに甘えてしまう。


「…ひかるは九条が好きなのか…?」

その言葉にドキッとする私。
どうしてそんなこと聞くの…?


「う、うん。」

「俺の目見て答えて」

そう言われて峻くんの目を見る。
ダメ。
そんな優しい眼差しで見ないで。
泣きそうになるから。

耐えられなくなって私は峻くんから目をそらす。


「…見ててリレー。」
「え?」

「リレー、俺のことだけ見てて。
九条なんて見なくていいから。俺を応援して。」

そう言って峻くんは私から離れて保健室を出て行ってしまった。


気づけば鼻血も止まっていた。
きっと。
ううん。絶対。
私は峻くんがいないとダメなんだ。

側にいるだけで心が揺れる。
あんなに止まらなかった血も一瞬で治る。
峻くんに触れられるだけで熱くなる。


「…峻…くんっ…」

大好き大好き。
でももう…あの頃には戻れない。









『峻くん大好き!』

『俺もお前が好きだよ』












< 111 / 143 >

この作品をシェア

pagetop