私も彼に愛されたい!


「ひかる!俺のこと見ててね」

リレーに出場する九条くんが私のところまで来る。

「あ…うん。」

“俺のことだけ見てて”


保健室で峻くんに言われたことを思い出す。



言われなくてもきっと私は自然に峻くんを見ていたんだろうな…


『リレー出場者は並んでください』

先生の声にリレー選手が並ぶ。

「始まるね。」

なんだかソワソワしている朱莉。
春くん出るからかな?


『位置について…よーい…』

バンッという音で走り出すリレー選手。

うわぁ…みんな早い!



峻くんと九条くん…アンカーなんだ。


私たちのクラスのバトンが春くんに渡される。

「春!!頑張れ!!!!」

朱莉が応援している姿を見ると、私も峻くんをこんな風に応援したかったと強く思う。


「すごい!春くん一番だよ!」
「ふふっ、やっぱかっこいいわ、春は。」






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