私も彼に愛されたい!


「いよいよアンカーだね…」

同じクラスから二人ずつアンカーが出る。

九条くんと峻くんは同じクラスだからどっちが先にゴールしても変わらないけど…でも峻くんが先にゴールしてほしい…


なんて、そんなこと思っていいのかな。



峻くんと九条くんがほぼ同時にバトンを渡された。

わぁあ!と盛り上がる会場。

『赤チームすごいです!二人とも一気に抜かしていって二人で戦っています!!」


峻くんが抜かしたら九条くんがまた抜かして、
九条くんが抜かしたら峻くんが抜かして…


どっちも譲られない感じ。

最後の一周に入った時、
少し峻くんと九条くんの距離が開いた。

嘘…九条くんの方が前にいる。

『おっと!少し距離ができました!!
どうなるんでしょうか!!』

実況する人も熱くなってくる。

「ひかる、応援しなくていいの?」
「朱莉…」

朱莉が優しく私に問いかける。


私……。





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