私も彼に愛されたい!


「あの…私…」

何言えばいいの?
今更何を言えるの?

そんなこと考えていたら、
気づけば峻くんの腕の中にいた。

「ひかるっ」

力強くギュッとする峻くん。


峻くんの匂い…



大好きな存在が目の前にあるだけで、私の目からは涙が出ていた。

「しゅ、峻くん…っ」


ずっとずっと戻りたかった。
君の側へ。


「もう離さない。俺の側にいろ。何があってもだ。」

「峻くんごめんね…っ」

峻くんは私を離して私の涙を拭ってくれた。

「ひかる、俺のことどう思ってる?」


言っていいのか分からない。
言わない方が良いのかもしれない。

だけどいつも峻くんは優しく私の心を開いてくれるんだ。


「素直な気持ち教えて?」

「…大好き…大好き。」

そう言うと峻くんは私にキスをした。

「それでいい。もう別れるなんて言わせないから。」

「峻くん…」

「ずっとひかるに触れたかった。
取り戻したくて取り戻したくて仕方なかった。だから、アイツに正々堂々勝負しろって言ったんだ。」

「それでリレー?」

「あぁ。アイツが勝ったらひかるを諦める。俺が勝ったらひかるを取り戻す。負けるかと思ったよ。だけど、ひかるが応援してくれたから頑張れたんだ。」


だから九条くん、解放するって言ったんだ…



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