私も彼に愛されたい!


「あ…の…何もされなかったというか…えっと…」

「ひかる。」

私の目の前に峻くんが立つ。

「なんかされたのか?」

言っていいの?
言ったら絶対峻くん傷つく。

「ひかる、ちゃんと教えてあげないと。
流川だってわかってるよ」

朱莉がそう言ってくれて私は決心する。

「峻くんと離れて九条くんのところに行った時、その…キ、スされた…」

顔を見るのが怖くて俯く私。

「ごめんな、早く助けてあげられなくて…」

そんな私に峻くんは謝ったの。


え…?
どうして峻くんが謝るの…?

「なんで…」

「ん?」

なんでそんなに優しいの…?
いつもいつも私に優しくしてくれる。


「峻くん…っ」

私は精一杯峻くんを抱きしめた。

「ひかる、本当に良かったよ…」

そう言って朱莉は涙ぐんでいた。







私、元の日常に戻れたんだ。



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