私も彼に愛されたい!
気づけば私の家の前。
いつもは、
また明日ね!って言ってバイバイするけれど、
明日からは冬休み。
ましてや、会う約束もない。
次いつ会えるかもわからない。
もしかしたら、
冬休み明けとかってことになっちゃったりするかな?
峻くんが大好きで、もっと近づきたいのに、
なんだか見えない壁があるみたい。
付き合いたてなわけでもないのに。
「あの…じゃ、じゃあ…またね!」
「うん。」
あぁ。もっと帰り道が長ければいいのに。
そしたらもう少し一緒にいられたのに。
これ以上一緒にいたら、
なんだか泣いてしまいそうで
私は家のドアに手をかけた。
「…ひかるっ」
その声と同時に腕を引っ張られ、
気づけば峻くんの腕の中。
「え?」
突然のことで、心臓バクバク。
ど、どうしちゃったの!?
最近、こういう事減ってたから、
久々すぎて、もっとドキドキしちゃうよ!
「しゅ、峻くん?」
「バイトで会えなくてごめん。
ちゃんとあったかい格好して寝るんだぞ。
あと、風邪ひかないように。」
それだけ言うと峻くんは、
ゆっくりと離れた。
「じゃあな!」
そう言って足早に帰ってしまった峻くん。
「え…?何?今の…?」
前の私だったら、
何ら変わりのないことなんだろうけど、
今の私としては、
ちんぷんかんぷん。
私のこと、まだ少しは好きでいてくれてるって思ってもいいの…?
最近冷たい彼。
口数の減った彼。
そんな時に垣間見える優しさ。
峻くん…今、何を考えていますか?