私も彼に愛されたい!




気づけば私の家の前。

いつもは、
また明日ね!って言ってバイバイするけれど、
明日からは冬休み。

ましてや、会う約束もない。
次いつ会えるかもわからない。


もしかしたら、
冬休み明けとかってことになっちゃったりするかな?



峻くんが大好きで、もっと近づきたいのに、
なんだか見えない壁があるみたい。

付き合いたてなわけでもないのに。



「あの…じゃ、じゃあ…またね!」

「うん。」

あぁ。もっと帰り道が長ければいいのに。
そしたらもう少し一緒にいられたのに。


これ以上一緒にいたら、
なんだか泣いてしまいそうで
私は家のドアに手をかけた。

「…ひかるっ」

その声と同時に腕を引っ張られ、
気づけば峻くんの腕の中。

「え?」

突然のことで、心臓バクバク。

ど、どうしちゃったの!?



最近、こういう事減ってたから、
久々すぎて、もっとドキドキしちゃうよ!

「しゅ、峻くん?」

「バイトで会えなくてごめん。
ちゃんとあったかい格好して寝るんだぞ。
あと、風邪ひかないように。」

それだけ言うと峻くんは、
ゆっくりと離れた。


「じゃあな!」

そう言って足早に帰ってしまった峻くん。

「え…?何?今の…?」

前の私だったら、
何ら変わりのないことなんだろうけど、

今の私としては、
ちんぷんかんぷん。



私のこと、まだ少しは好きでいてくれてるって思ってもいいの…?



最近冷たい彼。
口数の減った彼。

そんな時に垣間見える優しさ。


峻くん…今、何を考えていますか?




< 131 / 143 >

この作品をシェア

pagetop