私も彼に愛されたい!


もう帰ってるって分かってるけど、
見に来ちゃうんだよな〜〜

ガラガラ________。


「え。」

い、いる!!

いるって言うか、寝てる…?
自分の机に突っ伏して寝てる峻くん。


起こさないように近づく。


こんなに近づけるの滅多にない。
綺麗な顔…
私がこんな人と付き合ってるなんて。
そりゃあ、釣り合うわけないよね。


「…峻くん…」

触れてみたい。

そう思って前髪に手を伸ばす。

だけど、

「触んな」

「あ…ご、ごめんねっ」

触る前にそう言われた。

起きてたみたい。

「あ…えっと…ま、また明日ねっ!」

明日会えるかもわからないのに、
そう言って教室を急いで出る。

「はぁはぁっ」

走って校舎を出て、曲がり角を曲がる。


「…触んなって…そんな言い方…しなく…たって…」

誰にも聞かれないように小さく呟く。
もう限界だった。

あの場で泣かなくてよかった。
めんどくさいって思われたくない。
でも、
目から溢れる涙を止められなかった。



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