私も彼に愛されたい!



「…っ!!」

これは夢なのかな。
峻くんじゃないみたい。

こんなこと、夢のまた夢だと思ってた。


「…ふぇ…っ…しゅ、じゅん゛ぐん…」

「ごめんな、泣くなよ…」

「あたっ、あたし、ずっと嫌われてるって思ってて…それで付きまとうのやめようって…峻くんから離れようってー…」

「うん…でも、俺から離れないでよ」


峻くんが優しい…

「でもなんて、いきなり言ってきたの?」

「ほんとは言うつもりなんかなかった。
でも、春に言われたんだよ」

春くんに??

「このままだと九条に取られるぞって」

「九条…?あ…梓くん?」

「名前で呼ぶな」

わっ…こんな感情を露わにしてくれるなんて…


「私、九条くんのことなんて好きにならないよ?嫌われてても、峻くんのことしか頭にないもん。」

「ひかる…」

峻くんが私の頬に手を添える。
あったかい…

峻くん…大好き…

私が峻くんの手を握ったその時だった。

「はーい、お疲れ様でーす、足元お気をつけて〜〜」

ガラッとドアが開きスタッフの声がする。

びっくりして咄嗟に離れる私たち。


あ…もう下まで行ってたんだ…

見られたかな…今の!!!



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