私も彼に愛されたい!
勢いで来てしまった…
505号室…
ピンポン押さずにウロウロ。
「えぇい!!!!」
ピーンポーン…
インターホンが鳴って数秒、
峻くんの声がする。
『…はい』
「ひかるです…」
『え、ひかる?』
驚きながらもドアを開けてくれた峻くん。
「お邪魔しまーす。」
「ひかる、来てくれるのはすっげぇ嬉しいけど移したら悪いから…」
峻くんが申し訳なさそうに私との距離を保つ。
「だって、心配だったんだもん!!」
「ひかる…」
「もう、そんなこと気にしてなくていいから熱計って!!!」
具合が悪いからか、
いつもより正直にいう事を聞いてくれる。
なんだか、こういうのも悪くない…?
「38.2…たかっ」
「ゴホッ…ゴホッ」
「峻くん、大丈夫?寝ていいからね」
私は峻くんに布団をかぶせる。
「ごめんな。」
「お互い様だから!」
「…サンキュ」
峻くん苦しそう。
そうだ、冷えピタ…
私は冷えピタを取ってこようと立ち上がった。
「…どこ行くの」
だけど峻くんがそれを阻止した。
「冷えピタ取ってこようと…」
「俺が寝るまでそばにいて。」
「でも…」
「いいから…」
弱々しい峻くん。
私は峻くんの頭を撫でた。
数分すると、
スースーと寝息が聞こえて来た。
良かった…寝てくれた。
そのうちに冷えピタを取って来て峻くんのおでこに貼る。
「おかゆ作ろう」
料理がめちゃめちゃ上手なわけじゃないけど、私もお粥くらいは作れる。