私も彼に愛されたい!



勢いで来てしまった…


505号室…
ピンポン押さずにウロウロ。


「えぇい!!!!」


ピーンポーン…

インターホンが鳴って数秒、
峻くんの声がする。

『…はい』

「ひかるです…」

『え、ひかる?』

驚きながらもドアを開けてくれた峻くん。


「お邪魔しまーす。」

「ひかる、来てくれるのはすっげぇ嬉しいけど移したら悪いから…」

峻くんが申し訳なさそうに私との距離を保つ。


「だって、心配だったんだもん!!」

「ひかる…」

「もう、そんなこと気にしてなくていいから熱計って!!!」

具合が悪いからか、
いつもより正直にいう事を聞いてくれる。


なんだか、こういうのも悪くない…?



「38.2…たかっ」

「ゴホッ…ゴホッ」

「峻くん、大丈夫?寝ていいからね」

私は峻くんに布団をかぶせる。

「ごめんな。」

「お互い様だから!」

「…サンキュ」

峻くん苦しそう。

そうだ、冷えピタ…

私は冷えピタを取ってこようと立ち上がった。


「…どこ行くの」

だけど峻くんがそれを阻止した。

「冷えピタ取ってこようと…」

「俺が寝るまでそばにいて。」

「でも…」

「いいから…」

弱々しい峻くん。
私は峻くんの頭を撫でた。

数分すると、
スースーと寝息が聞こえて来た。

良かった…寝てくれた。

そのうちに冷えピタを取って来て峻くんのおでこに貼る。


「おかゆ作ろう」

料理がめちゃめちゃ上手なわけじゃないけど、私もお粥くらいは作れる。



< 59 / 143 >

この作品をシェア

pagetop