私も彼に愛されたい!


「ひかる、次移動だよ」
「あ、今行くー」

あれ、地学の教科書がない…!

サーと血の気が引く感じがした。

「朱莉!教科書忘れた!」
「はぁ!?なんで今気づくのよ!」

地学の先生、教科書忘れたら超怒るんだよ!
どうしよう!!!

「流川のクラスないの?」
「聞いてくる!!」

朝から猛ダッシュの私。

私は3年4組
峻くんは3年2組。

少し離れてるから走らないと間に合わなくなる。


「はぁはぁ…っ。峻くん!います!?」

2組に来て近くの人に話しかける。

「峻、呼んでるぞー」

近くの人が呼んでくれるけど、
私が来たって分かっていながらも来ようとしない峻くん。

そんなに私のこと嫌い…?


でも、今はそんなこと気にしてる場合じゃないの。
峻くんが来ないなら、この近くの人に借りるのみ!!

「あ、あの!峻くんはもういいので、地学!地学あります!?」

「あ、あぁ…あるけど…?」

「貸してください!!!」

半ば強引にその人から教科書を借りて地学室へ向かった。



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