桜散る頃君に会いに行く
「………ら、さくら!!」


誰かの声が聞こえる。



重い瞼を開くと白い天井と冬雪の顔。



私、まだ生きてたんだ。



「お前、何やってんだ。1週間も眠ってて…っっっ」



冬雪は泣いていた。





「冬雪…泣かないでよ。私まで悲しくなっちゃうじゃん。」




「そうだよな…今日はお前にプレゼント持って来たんだ。」


「え…!?」



その瞬間私の目の前に桜の花びらが舞った。



「わぁ…綺麗…。」



「ごめんな。本物見せてやれなくて。桜…死ぬなよ。俺と来年も再来年もじいちゃんばあちゃんになっても桜を見に行こう。」



冬雪の額は涙で冷たくなっていた。


私はその頬に触れる。





「冬雪、私冬雪がいてくれてよかった。…最後に約束してくれる?」





「ああ。何でも聞く。」




「あのね────」


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