十人十色恋模様
「だからね、仁くん。私は」


「ちょっ、ちょっと待った!!」


何故?


どうして止めるの?


まるで私の言葉を聞きたくないというように止める仁くんに、少し泣きそうになった。


幼馴染だからもう詰められない距離なのだろうか。


どうやったらこの距離は縮まるのだろうか。


もしかしたら仁くんも私のことを……なんて思ったのは私のただの勘違いだったというのか。


「なんで止めるの?」


そんな言葉が自然と口から漏れていた。


1度口から漏れると抑えることなんてできなかった。
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